田中文照堂 五代目店主

改刻について

田中文照堂です。


先日、改刻(印面の彫り直し)についてお問い合わせを頂きました。
要約させて頂きますと、

・亡くなられたお父様が使用されていた印鑑があるが、お父様のフルネームの印鑑の為、そのままでは使用できない。
・思い入れのある印鑑なので、どうしても使用したい。(形見として持ち続けたい。)
・すでに持ち込んだ数店舗では「古い印鑑のため、改刻は出来ない」や、「新しく作ったほうが安い」、「印面の改刻は縁起が悪い」などの理由で全て断られた。

との事でした。

印鑑を拝見させて頂くと、「オランダ水牛」製の小判型の印鑑で、同じ素材で丁寧に作られた、凝った形状の専用ケースに納められた、今ではあまり見ないサイズの印鑑でした。

非常に古く、印鑑本体やケースの所々に欠けがあったりしますが、丁寧に使われ続けた印象です。

素材の経年劣化が心配ですが、

①作業は慎重の上に慎重をかさねて行う。

②経年劣化で脆くなっている可能性があるが、通常使用出来なければ改刻の意味はない(観賞用ではない)ので、各エッジ部(欠けやすいところ)の処理には一手間加えて、この先数十年の使用に耐えうる加工をする。

などを行えば、弊店の基準では「改刻できる」と判断し、作業を引き受け、完成いたしました。

御本人様のご厚意で、HPへの掲載許可をいただきましたので、写真を掲載いたします。

改刻
          【オランダ水牛・改刻・・8,000円】

お父様の思い出の印鑑との事でしたので、古い印面は「削り落とす」のではなく「手挽きノコギリで切り落とし」、お返しいたしました。
印鑑表面は鏡面まで磨いて耐久性を上げました。

また、ケースの割れを補修し(白い部分)、短くなった印鑑に合わせてケース内部に駒をいれ、内部で印鑑がカタカタ動かないように(割れ、欠けの原因になる為)してあります。(ケース関係の補修はサービスです。)

本当は素材色に近い補修材でケースの補修をしたいところですが、あいにく生体材料に強固に固着する補修材を今回使用したもの以外知らないため、今回はご了承いただきました。

印面の掲載は安全上致しませんが、この先、数十年、普通にお使い頂けると思います。

冒頭で書きました、他店舗様が今回の作業をお断りした理由について個人的な意見を述べさせていただきます。

「古い材料のため改刻できない」
そんなことはありません。工法と工具の選定を間違えなければ、おおよその場合可能です。おそらく「面倒くさい」のか「作業に自信がない」のだと思います。

「新しく作ったほうが安い」
材料費がかからない分、改刻のほうが安いのは明白です。
材料ごと買った方が安いというのは、その店舗様では改刻作業自体に必要以上の料金を課されているのではないでしょうか?

「改刻は縁起が悪い」
悪いオカルト的迷信です。印鑑、ハンコに霊的な意味は「絶対に」ありませんし、今回の場合、「お父様の印鑑を使い続けたい」というお客様のご意見に対して、失礼だと感じます。今回のお客様のご希望は、私には100%理解できますし、その技術があるのならば、ご希望を叶えるべく試行錯誤するのが職人の仕事だと思います。

田中文照堂では、こういった作業も喜んでお受けしております。
この先の使用に支障がある場合(相当な損壊)を除き、お断りする事はありません。その場合も、しっかりとご説明致します。
どんな内容でもご相談くださいませ。

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詳しくはお問合せ下さいませ。

田中文照堂 五代目店主

田中文照堂 五代目店主
田中文照堂 五代目店主

田中文照堂、五代目の田中大晴と申します。 弊店のページをご覧いただき、本当にありがとうございます。 京印章の世界は奥が深く、先輩職人を見ながら切磋琢磨の毎日です。 皆様に良い印章をお届けできますように、より一層の努力をしていくつもりでおります。
田中文照堂をよろしくお願いいたします。

・神戸大学大学院修士課程修了(工学部)
・国家検定【一級印章彫刻技能士】
・京都市認定【未来の名匠】(平成29年度)
・厚生労働省認定【ものづくりマイスター】(令和元年度)
京都府印章業協同組合指定【京印章制作士
京都府印章業協同組合理事

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