田中文照堂 五代目店主

新しい印材の取り扱いを開始致しました。

 1850年の創業以来、田中文照堂では、特に【手彫り印鑑】の印材(材料)として、「薩摩本柘」、「黒水牛」、「オランダ水牛(牛角の純白)」、そして「象牙」の4種類を使用してきました。


 その理由としましては、「田中文照堂の手彫り印鑑」として、お客様にご納得をいただける「印材としての性能」を有するか否か、を考えると、上記4種類のみがその全てを満たす、と考えていたからです。

 新しい印材があると知ればすぐに取り寄せ、テストをする、といった事は日常的に行っているのですが、なかなか性能面で納得できる印材がなかった、というのが実情です。

 田中文照堂が印材に求める「性能」は以下になります。

■切削性、加工性・・・印刀による「手彫り」において、微細な加工に耐えうる性能を有するか。

■堅牢性・・・出来上がった形状を長期維持できる強度があるか。(=硬度)

■耐久性・・・長期の仕様に耐えうる性能を有するか。(=靭性)

■商品性・・・価格に見合う品質感、質感を有するか。

 上記性能を田中文照堂として納得できるレベルで有する印材として、前述の4種の印材を取り扱っていたのですが、話は数年前に戻ります。

 京都在住の外国人の方が来店されました。

 日本人の奥様との間にお子様(女の子)がお産まれになり、お子様の銀行印を作りたいとの事でした。

 名前に「楓」の文字が入っているので、どうしても「楓」の印材で作りたい、との事でした。

 前述の、現在、田中文照堂では「楓印材」を取り扱っていない旨をご説明して、最終的には「楓印材」を取り扱う他店舗をお薦めまでしたのですが、「どうしても田中文照堂で楓印材を手彫りして欲しい」「性能面の不安要素は全て了解する」と言われました。

 そこまで言っていただけるのであれば、こちらもお断りする理由はないので、印材業者より「楓印材」を取り寄せ、手彫りし、納品致しました。

 その時に「楓印材」を手彫りした感触が、以前にテストをした(楓印材は相当前にテスト済みでした)記憶と違っていたのです。
 以前のテストの記憶では、「柔らかすぎて強度面で心配」なイメージが強かったのですが、印材の加工技術に革新があったのか、とにかく感触が悪くなかったので、ふと思い、印材業者から今ある天然木の印材のテストサンプルを(テスト済みも含めて)全てもらい、全て手彫りし、実際に使用し、印材としての性能を数年間「再テスト」しておりました。

 ふと思い、というのは「印材の加工技術が以前のままとは限らない。我々印章彫刻士が毎日技術の向上に努めているように、彼らも職人なのだから、印材加工の分野でも公にしていない技術の向上があるはずだ。」と当たり前の内容なのですが、「以前にテスト済みだから」という考えは、技術の進歩に付いて行けていない証拠だとハッとしました。

 毎日技術の向上に努めているつもりでしたが、印材の知識の面で「前にそうだったから、今もそのはず」という考えになっていました。

 これでは時代の進歩に取り残されてしまいます。

 大いに反省しました。

 そしてその「再テスト」で、2018年、4種の印材が「合格」し、 田中文照堂160年ぶりの「新商品」となります、【楓】、【智頭杉】、【神楽ひのき】、【白檀】の4種類の印材の取り扱いを4月下旬より開始致しました。

木目比較

 木目は各印材で特徴があり、見た目の品質感は全てすごく高いです。

 白檀は香木としての材料と同じですので、あの「白檀の香り」がします。こういう付加価値も重要だと考えております。

 もちろん、印材としての品質は田中文照堂が保証致します。

 店頭取り扱いを開始したばかりですので、ネット販売の商品欄にまだ掲載出来ておりませんが、申し訳ありません。現在掲載作業中です。

 ご希望のお客様は、電話やeメールなどでお問い合わせ下さいませ。

 価格は【楓】は薩摩本柘と同等、【智頭杉】【神楽ひのき】は黒水牛と同等、【白檀】はオランダ水牛と同等、となります。

 少々高額な印材も含まれますが、それに見合う「価値」はございます。店頭では既に各種のご注文を頂いております。

 田中文照堂の手彫り印鑑の印材に、新たな仲間が加わったご報告でした。

 今後共、田中文照堂を宜しくお願い致します。

コメントする

名前

URL

コメント

四柱推命 幸運印章
個人の印鑑
法人の印鑑

5000円以上の印鑑は5年保証

営業カレンダー
  • 今日
  • 定休日
  • 18時閉店日

土曜日は基本的に18時閉店ですが、延長営業も可能です。
詳しくはお問合せ下さいませ。

田中文照堂 五代目店主

田中文照堂 五代目店主
田中文照堂 五代目店主

田中文照堂、五代目の田中大晴と申します。 弊店のページをご覧いただき、本当にありがとうございます。 京印章の世界は奥が深く、先輩職人を見ながら切磋琢磨の毎日です。 皆様に良い印章をお届けできますように、より一層の努力をしていくつもりでおります。
田中文照堂をよろしくお願いいたします。

・神戸大学大学院修士課程修了(工学部)
・国家検定【一級印章彫刻技能士】
・京都市認定【未来の名匠】(平成29年度)
・厚生労働省認定【ものづくりマイスター】(令和元年度)
京都府印章業協同組合指定【京印章制作士
京都府印章業協同組合理事

店長日記はこちら >>

ページトップへ